2015年05月09日

CJシリーズ参戦レポート 朽木 (T樹)

CJシリーズ初戦、舞台は滋賀県高島市朽木スキー場。上りも下りもテクニカルなコースである。行く前にコースマップを見た時には上りが勝負のメインになると考えていたがそんなことはなく、むしろ上りはオマケだと思えるほどの下りが私達を待ち受けていた。1周約4.45km、大きく標高の変わるこのコースはCJシリーズのコースにおいて最も難易度が高いコースである。試走した時の感想としては「えげつない」というくらいである。スタートしてまずあるのは赤い石の長い上りである。初めから上っていくコースは多くあるのだが、ここまで初めから上れない人を徹底的に潰していく。そしてやっと下り始めて休めると考えていると、出てくるのはもはや普通なら自転車で走ろうと考えないような九十九折。ここはもう自分は乗れないので、走って切り抜けるようにした。そして石の地面の下りを越えた先に待ち受けるのは更なる上りである。ここまで上らされると、もうかなりの疲れが溜まってくる。そしてその後の高速な下りでのバンクを使ったカーブはかなりこの後の勝負にかかわるポイントである。このようなところをのりちゃんに教わりながら試走していた。

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レース当日、前日のような暑さはなくむしろ走っていないと涼しく感じられるような天気だった。そんな天気の中、スタート前並んでいる。

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自分のすぐ前にはPRORIDEのR君が居た。自分よりも大きな体と貫録。正直あと一年であそこまで行けるのかと思うほどだった。しかしそんな大物を前にしても私は緊張していなかった。むしろ落ち着いているくらいだった。レースの初戦、心が爆発しそうになってもいいというこの場面で私を落ち着かせていたのは「ビリより下はない」という親達の言葉だった。目の前にいる人達に勝てないのは解っている。もちろんあきらめている訳ではない。チャンスさえあれば狙っていくつもりだ。しかし、負けるという感覚が自分を落ち着かせていた。人によってはそれは勝負から逃げていると考える人もいるだろう。時には逃げることも大切だと思っている。無理なことをしてもっと大きなことになったりするより、逃げる方がいいと思っている。実際私はコースの一部は最初からバイクを降りて走っていた。

話をスタートに戻す。私はスタートではユースで2列目、全体では8〜10列目くらいだったか。とにかく、前に大きなカベがあり、シクロレースでおなじみのロケットスタートはほとんど出来ない状況である。しかし、そんなことは解っていた。だからこそU太の隣ではなくこのポジションを選んだのだ。このポジションでは前にユースで速い人達が並ぶ。つまり速く人の中から抜け出せる事が出来るかもしれないのだ。

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そして、風の吹く空の中スタートした。前の人たちについていく。自分とは違う加速を前についていく。私の筋肉よりも太い筋肉から繰り出されるパワーはとても凄いものだった。

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私は上りの途中でおいて行かれてしまった。少し前にU太が見える。そこにマスターズの選手も何人かいて、小さな集団を構成していた。その集団の中に入り下りを切り抜けようと考えていた。実際、難しい下りでは前の人のコースを見ることによりほとんどおいて行かれずについていくことができた。しかしその時不思議なことが起こった。私の後ろにいる人が減ったのだ。もう少しいるはずなのだが千切れてしまったのだ。その真相はゴール後に知ることになる。

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そして、最初の下りを終えた私は少し上り、石の下りに入ってかなりのスピードで下っていた。その時だった。カーブで曲がろうと体重を移動したときのことだ。前輪がスリップした。立て直すひまもなく私はこけてしまった。腰と腕などに痛みが走る。しかし止まっている訳にはいけない。このレースでは80%カットを採用している。トップの人からある程度離れるとカットされてしまうのだ。下りでこけてしまったせいで集団から離れてしまった。これからは自分の力で走らなければいかないのだ。

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そのあと、私はかなりのペースダウンをした。前に人はいるが、だいたい自分より遅くて簡単に抜かしてしまうか同じくらいのスピードで近づいてこないので目標とかペースメーカーになる人がいないので、ペースが乱れやすくなっていた。元々自分は一人で走るのがあまり得意ではない。一人で走っているとどうしてもペースが落ちてしまう。とにかくまだ間に合うと自分に暗示しつづけて走り続ける。正直しんどい。止まれば楽になることは解っている。間に合わなければ残念で済むかもしれない、しかし、私は足を止めなかった。どうしても完走はしたい、そう思って走っていた。ゴール前に来た時、私の運命がわかる。いつものように鐘を鳴らされればもう一周、しかしフラッグを振られたら走るのをやめなければならない。そこで私を待っていたのは、高い鐘の音だった。その音を聞いた瞬間力が湧いてくるような感覚があった。まだ走れる、まだ戦える、ただそれだけがうれしかった。もう順位なんてどうでもいい、私ができることをしようと思った。

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そして最後の下りで人影があった。見たことのあるジャージの人がバイクを押して走っていた。安曇野だった。パンクしてしまったのだろう。私は一声かけて抜かした。そしてゴールをくぐった。足はフラフラだったが走り切ったという思いであふれていた。

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結果は17位。21人中、一人はDNS、二人は−1LAPだったので、完走した中では下から二人目。私の下の人もパンクしていたから抜かせていたのであって、もしパンクていなければ私が完走の中で一番下だっただろう。
私の無力さを思い知った。しかし、まだまだこれからである。私も全力を出せていたわけではない。そして次のステージは走りなれたパノラマである。次はもっと上の順位を目指して頑張りたいと思う。


CJシリーズ参戦にあたっては、バイクルームシンよりジャージなどをサポートいただいています。
HP → http://bikesin.com


posted by tomoki-chichi at 17:52 | Comment(3) | レースレポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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