2013年10月01日

「MOMOがゆく」第5章 JJ 本気の女の子

 小学3年生で習う漢字や語彙を考えれば、「よそう」とか「きにする」というのが、きっと順当なのでしょう。
でもやっぱり、「忖度(そんたく)」なんですよね、小説的には、Yos的には。そのほうが、「周りがなんと思っていようが、決めたことに向かって、まっしぐら!」というかんじがします。
ということで、「MOMOがゆく」第5章、JJの巻です。
 KK、明日には第6章、KKのところをアップするからね!なんと言っても、双子ですから、本来は同時じゃなきゃいけません。でも今、推敲(すいこう)しているから、もうちょっと待ってねー。(すいこう=文章をよくしようとして、なんども考え、つくりなおすこと…中国、唐の時代の古事に由来し…って、あとは自分で辞書をひいてね)Yos

第5章 JJ 本気の女の子(小学校3年女子)

JJの1.jpg

 「私はね、本気で表彰台をねらっているんだから!そのためには、ここでいかなきゃいけない!」
これから走る自分のラインをまっすぐに見ながら、JJは最初の激坂を越えた。ここを何度も試走して選んだギアに入れ、はじめは軽く回しながら、シッティングで坂に入る。途中からはギアをかけて、ダンシング。「ふつうは2速上げるけど、ここは坂が急になるから、1速だけでいい」カチカチカチ…と、JJは頭の中で考える。レースで熱くなっているときでも、クールに作戦(さくせん)を立てるのが、JJの走りかただ。今もそうやって、この坂を速く上るためのライン(もちろん、試走のときから決めているライン)を、ぜったいに外さないために、ここまで全力で踏んできた。「あの坂の上で渋滞(じゅうたい)が起きるから、あそこまでは、ぜったいに先にいかなくちゃダメだよ」と、スタート前にマコトさんが教えてくれたとおりに。
 KKがうしろの渋滞に巻きこまれていないか心配だったが、今は振り返っている余裕(よゆう)はない。24インチのJJのバイクは、今はライバル以上に足を回さないと、置いていかれてしまうのだ。
(マコトさん=MOMOをサポートするスポーツバイクショップ、bike room SIN店主シンスケのワイフ。店主の職人気質とオヤジギャグのため、ともすれば一般の人が入りづらくなってしまうおそれのあるこのショップを、「このお店、いいわー」という、とても入りやすいお店にしている、実は店主よりもすごい存在。その素敵な笑顔と丁寧な接客で、多くのファンを持つ。※これだけ褒めておけば、次にお店に行ったとき、きっと補給食ぐらいプレゼントしてくれるかなー? なんて、いやマコちん、もちろんホンネですよ・笑)

 先週のMTBサマーキャンプで、同じこの坂を上ったとき、JJのバイクを持ち上げたYちゃん先生は、「JJちゃん、こんな重いバイクで、この坂を上っているの?」と驚いていた。「え?」JJにしてみれば、それがあたりまえだったから、今まで、あまり気にしたことはなかったのだが、このとき彼女は、「どうやら自分のバイクは、ふつうより重いらしい」ということ知る。だから、Yosの家の冷蔵庫のドアから持ってきた「カエルの強力磁石」でためしてみた。するとShokaのオルベア(カーボンフレーム)とKKのGT(アルミフレーム)にはひっつかずにポロっと落ちたカエルが、JJのスペシャライズドにだけに「カン!」とひっついたときには、思わずパパ(総監督gen)に、「私にも、鉄じゃない自転車を買って!」と言ってしまったのだった。
 でも実はJJは、このバイクが大好きだ。このスペシャ(レースの時にちょくせつもらった、片山梨絵ちゃんのサインが入っている!)は、太平洋の向こうから海を越えて、JJのところにやってきた。新しい軽いバイクも、もちろん欲しいけれど、それでこのバイクとサヨナラするのは寂しい。(このすてきなお話は、いずれ機会があればまた)
 たしかに、上り坂ではちょっと重いと思うこともある。でもJJはパッチン(ビンディング・ペダル)で引き足を使って上手に足を回せるし、それに下り坂では、このバイクはとても安定している。JJはペダルに立っているだけで、まっすぐ、ぐんぐんと進む。だからライバルたちが足を止めている下りでも、重いギアを踏んで加速することができる。ライバルたちの26インチにくらべて、JJの24インチは不利だと言う人もいるが、シンスケさんが、白のかわいいスポークで、とくべつに「手組み」で作ってくれたこのホイールはよく回り、JJのぺダリングの加速にも、瞬時に応えてくれる。(しゅんじ=またたきをするぐらいの、わずかな時間:岩波国語辞典)

 表彰台は難しいだろうと、大人たちは漠然(ばくぜん)と考えていた。というのも、3年生女子には、IKちゃんと、「ひーちゃん」ことHちゃんという、2人のいわば「当選確実(とうせんかくじつ)」がいるからだ。
(ばくぜん:ぼんやりと、はっきりしないこと:岩波国語辞典)(とうせんかくじつ=まあ、ぜったいまちがいない、ということ:Yos)
 15人が出走する、女子一番の激戦区(げきせんく)で、表彰台に残された「あと1人」に、JJが割って入るのは難しいというのが、大人たちの見立てだった。もちろん、みんながJJの表彰台を、心から望んではいたのだけれど。(げきせん:ぜんりょくをつくす、はげしいたたかい:岩波国語辞典)(みたて=お医者さんが、「これはたぶん、かぜですね」というように、たぶん〇〇ということ:Yos)

 しかしここに、そんな大人の勝手な見立てなど、まったく忖度しない女の子がいた。(そんたくしない=「なに言ってんのよ?あたし、そんなこと、どーでもいいわよ(SKM47さんなんかが、よくおっしゃいますね)」ということ:Yos。そんたく=すいさつ、おしはかること:広辞苑)
 「シマノ(バイカーズフェスティバル)で2日とも乗ったのに(2日とも3位)、きょう、乗れないはずはない。私はぜったいに、表彰台に乗るんだから!(表彰台の)試乗だって、したんだから!」(前日の試走のあと、たしかに乗ってました・笑)そう、JJにしてみれば、「そんなの、あたりまえ」のことだったのだ。
 集中したJJには、いま自分が走るラインが、白い光の線のように、はっきりと見える。その光に向かって、JJが、海のむこうからやってきた鉄のバイクを、ぐんぐん加速させる。「おおーっ!」という、勝手な大人たちの、驚きのどよめきを、背後に残して。(はいご=うしろ、せなかのほう)


posted by Yos at 23:24 | 東京 ☁ | Comment(5) | MOMOがゆく | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今、熱で寝込んでるので、丁度良い読み物でした(^ν^)
先週末はJJと二人でプラネタリウムまで自転車で行ってきました。途中の激坂(?)で必死に心臓バクバクいわせながらこいでいる私の隣を「ママ、大丈夫?」とばかりにJJが平地と変わらない表情で抜かして行きました。体重が半分だし、私はカゴ付きの小径だし仕方ないか…と思ったけど、去年の今頃はきっと同じペースだったんだろうなぁ〜と考えると頼もしいやら淋しいやら。
前をこいでた私が急ブレーキで止まり「やばい、JJに突っ込まれる!」という時も後ろを見ると、冷静に静止しているJJ。スタンディングのおかげかしら?
私はプラネタリウムではぐっすり眠り、帰りに備えました勝ち誇り
Posted by SKM47 at 2013年10月02日 10:18
JJの自転車はパパの一番のお気に入りなのです。
SKY50のK原さんに頂いたのは、3年ほど前だったかな?
そのあと、とっても手間がかかってます。
オーナーはJJが3人目、重さは14Kgちょっと!
なにより、24インチでトリガーシフトの後ろ9速なんてかっこいいでしょ!
あと、2年は乗ってね。
Posted by gen at 2013年10月02日 23:03
鉄の自転車大事にして頂いてありがとうございます。SeattleのBellevueという町の自転車屋に長男Yuto小学1年を連れて、Yutoの初めての自転車を買いに行きました。もう、そのYutoも大学3年ですのでスペシャも年代物です。Yutoも含めオーナー3人目末長くお付き合いお願いします。
Posted by SKY50のK at 2013年10月03日 06:12
本編にも出ていただいた、MTBサマーキャンプのYちゃん先生は、JJの自転車のことを「世界選手権養成ギプス(バイク)」と言っていましたね(笑)。
ちなみに私のMTBオルベア・ランザ(アルミ・Mサイズ)は耐久性重視でカーボンパーツは使わずにで組んで、それでも11.8kgです。
JJバイクの14kgオーバーというのは間違いなく、3年生クラス40人の中で最重量、いやそれどころか、中学生まで含めて200人以上出場した中でも、いちばん重かったんじゃないか?!きっとそうに違いない!
もしも淀川長治さん(みんな、知ってるよね?)がご存命なら、きっとこう言ったに違いない。
「いや〜、14kg言うたらねあなた、重いよー。やすもんのママチャリと同じぐらい、重いですね、怖いですね。そんなんでレースなんか出たらあなた、サヨナラ、サヨナラ、サヨーナラ」
いやそんなことはさておき、軽量機材に頼る大人よ、恥ずかしくはないか?だってそのバイクを駆って、JJは全国2位ですよ!
というワタクシのロードバイクのオルカは、7kgジャスト。K原さんのタイムに至っては、もうすぐ5kg台。うーん、やっぱJJって、すごい!



Posted by Yos at 2013年10月04日 00:31
U太も一時期お借りして、乗ってましたね(^^)
Posted by Upapa at 2013年10月04日 08:49
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