2013年10月03日

「MOMOがゆく」 第6章 KK 渾身のKK つよいきもち

お待たせしましたKK!
そしてみなさま、言わずとしれた双子のもうひとりの方、KKの巻です。
「渾身(こんしん)」= 全身、からだぜんたい − の力

第6章 KK 渾身(こんしん)のKK つよいきもち

KKゴール前.jpg

「私は、ほんとうは、この坂は足をつかずに上れるのに」 渋滞がはじまった最初の激坂で、KKはくちびるをかみしめた。
 男女混走で、最多の40人が出走したこのクラスで、最初の激坂の頂上から大きく落ちるドロップは、横に広がった選手たちが、じょうご(せんざいとかを、ボトルに入れるときに使うやつ)の口のように、一気に絞り込まれる、いわば最初の難関だった。頂上からの降下ラインは1本だけ、そして、そこはまるで電車の自動改札のように、たった一人しか通れない。だからどうしても、渋滞が発生してしまう。今、KKはその渋滞に巻き込まれて、無念(むねん=くやしいこと)にも足を着いて止まらざるを得なかったのだった。
 くやしくて、くちびるをかみしめながら渋滞の先を見ると、すでにドロップを越えた先頭集団は、みるみるKKたちとの差を広げてゆく。そしてその先頭集団の中には、JJも含まれていた。しかしいくらKKが焦っても、今は自分の順番がくるのを待つしかなかった。
 KKとJJは双子の姉妹だ。二卵性なので、「まったく、うりふたつ(とてもよくにていること)」というほどではないけれど、それでも顔はもちろんのこと、体つきもよく似ていて、遠くから見分けることができるようになるのには、それなりの慣れを要する。いつも参加するa.b.cカップなどではすっかりおなじみで、「来ました!双子の姉妹(しまい)!」というのが、(いつもちょっとエッチなTシャツを着ている)実況のDJのお決まりのフレーズになっているほどだ。
 先週のシマノ(バイカーズ・フェスティバル)の成績は2日ともJJが3位、KKが4位だった。だからきょう、KKは表彰台を、メダルをねらっていた。いつも一緒にトレーニングをする二人は、レース成績もちかいものになる。けれどもどうしても、順位というものは、ついてしまうのだ。それが先週のシマノの、3位と4位だった。これが5位と6位というのなら、さほどの悔しさは感じなかったかもしれない。しかし言うまでもなく、3位と4位とは大きくちがう。それはオリンピックでも子供の自転車レースでも、まったく同じだ。メダルがあるか、ないか。2日連続の4位だったシマノで、KKは悔しかった。だからきょうはどうしても、メダルをとりたい。あるいはJJはパッチン(ビンディング・ペダル)なのにたいして、KKはフラット、その差もあるのかもしれない。けれども今は、そんなことは言ってられない。

 やっと、KKがドロップを越える順番が来た。「よし!追いつこう!いまは渋滞のことを、くよくよ考えているときじゃない!」決意とともに、KKはサドルから腰を上げた。
 ここから、KK渾身(こんしん)の追撃(ついげき)が始まった。そのとき、JJとKKの間には15人ほどの選手が走っていただろうか。KKが追いつくためには、その選手たちを、追い抜いてゆかなければならない。(こんしん=からだぜんたい…をつかって:岩波国語辞典)(ついげき=にげるてきを、うしろからおいかけて、こうげきすること:岩波国語辞典)
 ながい長い上り坂で、他の選手たちがシッティングで上ってゆく横を、KKは一人、二人と抜いてゆく。見ていて惚れ惚れ(ほれぼれ)するような、きれいな、きれいなダンシングで、ずっと上まで、のぼり続ける。(ほれぼれする=ふかく心をひかれて、好ましくてたまらないようす:岩波国語辞典)
 この乗り方は疲れるかもしれない。いやきっと疲れる。けれども、それでもKKはやめない。どんどん、どんどん前に、前にゆく。それは気持ちが強く、前を向いているから。どんなことがあっても、あきらめないから。
 KKは、「気持ち」で走るタイプだ。今のように、気持ちが決まったときには、素晴らしい集中力とパフォーマンスを発揮する。(まあ、決まっちゃったら、頑固でこまるときも、あるのだけどね・笑)この点は、カチカチとロジカルな戦略を立てて走るJJと好対照を成している。だからこの双子は、見ていて面白い。(1人を生むのに比べて)出産と新生児期の育児は、たいへんだったが、その分こうやって、2倍の楽しみを与えてくれることを、SKM47は幸せに思う(たぶん・笑)。(もっとも、何かあるときは心配も、当然2倍になってしまうのだが)

 「私だって、メダルを獲(と)ってやる!」
 まるで、サドルがついているのを忘れたかのようにダンシングを続け、力強く追い上げてゆくKKの背中に、パパとママの「KK、頑張れー!」という絶叫(ぜっきょう=ありったけの声を出してさけぶこと:岩波国語辞典)のような声援は、届いただろうか。
 渾身の力をふりしぼって、KKがゆく。ちからのかぎり、あきらめずにゆく。


posted by Yos at 23:26 | 東京 ☀ | Comment(2) | MOMOがゆく | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
本当に今回メダルが取れなくて残念がってました。(そもそも練習してないので取れるはずはないのですが、ShokaもJJも取れたから自分も取れると思っていたようです・・・)
そして、母としては「完走者全員メダル」のキッズトライアスロンでお茶を濁そうと思っていたのに台風でキャンセル。エントリー代が返ってこないことよりもこのメダルをあげたかった〜。
メダル全プレのレースがあったら、お知らせくださ〜い!

ちなみに、我が家にはジョウロはあってもジョウゴはありません。洗剤も酒も今じゃ移し替えないしね。以前Shokaが学校の「昔の道具」調べでおばあちゃんからジョウゴを借りてました。
Posted by SKM47 at 2013年10月04日 11:52
渋滞にひっかかったとき近くで見たので、おっちゃんあせったよ。
でもその後の追い上げはすごかったね(^^)
Posted by Upapa at 2013年10月04日 12:36
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。