2014年01月27日

スペシャルインタビュー Yosさん、「MOMOがゆく」を語る

今回は「MOMOがゆく」の著者であるYosさんに、五丁目スポーツ(神奈川県川崎市高津区の居酒屋限定のスポーツ誌。発行部数はだいたい、バイクルームSINの顧客数と同じぐらい)の文芸部記者がインタビューを行いました。以下、Yosさんとの一問一答です。

五丁目スポーツ(以下、五):まず、今回久々のアップとなったMOMOがゆくの新編、「約束」は、「泣いた」「感動した」…等々、まさに感動の嵐、の大反響ですね。(本当かよ?)

Yos:ありがとうございます。本当はもっと早くアップしたかったのですが、帰郷、転居にともなって、やることも多かったので、2ヶ月もあとになってしまいました。しかしその分、熟成度は上がったと思います。帰郷してから、実際に同じ市内にある(元祖の)「アンパンマンミュージアム」を訪れることができたことも、「本当に、アンパンマンから勇気をもらった」という実感につながり、それがストーリーの内容にも表れていると思います。

五:読者から、本編のなかで、「誇張、脚色と謙遜して書いているけど、ぜんぜんそんなことないよ。これはほとんどノンフィクションだよ」という意見が多く寄せられているのですが、その点はどうなんでしょう?

Yos:うーん、それについては、実はそのとおりで、物語じたいは、ほとんど実際の出来事です。ただ、ドキドキ感やワクワク感があって、読み物として面白くなるように、時間軸に沿って書くのではなく、出来事のインパクトをプライオリティにして書いています。そのへんのことがあったので、「誇張、脚色」と。

五:分かりました。けれどもそれはやっぱり、誇張でも脚色でもなく、むしろYosさんと子供たちの心理がストレートに出ているのだと思うので、本編からはその謙遜部分をカットしましょう。

Yos:お好きにどうぞ。

五:また、同じく読者から、他にもいくつか指摘が寄せられています。

Yos:指摘?

五:まず、A川さんがレース前に戦略を説く場面で「一人が1時間ずつ走って、ピット交代は3回のみ」というところですが、「3人のライダーが1回ずつ走るのなら、ピット交代は、3回ではなく2回ではないですか?」という指摘です。

Yos:うう、おっしゃるとおりです…訂正してください。僕は文科系で、さ、算数は苦手で・・・。

五:小学生でも分かる問題ですよ。

Yos:・・・・・

五:それと、これはもっと重要なことなんですが、「アンパンマンのマントの色は、赤やない!(関西方面からのご指摘)」という指摘です。これをご覧ください。(アンパンマンのカラーイラストを見せる)マントは茶色ですね。きっと、アンコの色なんでしょうね。

Yos:じぇじぇ!ほんとうだ。てっきり、マントは赤だと思っていました。これは、やなせたかし先生、ごめんなさい!すぐ本編を訂正します。

五:ちなみに、1973年にアンパンマンが登場したときは、あのマントは、ボロボロのつぎはぎだらけだったそうです。それについてやなせさんは、「なぜかといえば、正義のために戦う人は、多分貧しくて新しいマントは買えないと思ったからです」と答えています。

また、アンパンマンが自分の顔をちぎって、お腹が空いた人を助けることに関しては、「顔をちぎって食べさせるなんて、あまりにもひどすぎる。絵本というのは、子どもたちに夢を与えるものだ。この作者は、いったい何を考えているのかしら」「顔を食べさせるなんて、荒唐無稽だ。もう、二度とあんな本を描かないでください」とお母さんたちから苦情が届き、また専門家からは、「ああいう絵本は、図書館に置くべきではない」と酷評されたそうです。「こんなのは、正義のヒーローじゃない」と。

これについてもやなせさんは、「でも正義を行い、人を助けようと思ったなら、本人も傷つくことを覚悟しないといけないのです。自己犠牲の覚悟がないと、正義というのは行えないのです」と答えていますね。自分の顔を食べさせてまで、困った人を助けるということには、やなせさん自身が戦争のときに体験した、「お腹が減るのが、いちばんつらく、希望を失う」という体験が、その発想のもとになっているとも語っています。
そして、そのアンパンマンが、子供たちに大人気になっていった。

Yos:何が本当に大切で、どんなことをするのが「本当のヒーロー」なのかを決めたのは、大人や文芸専門家ではなく、「子供たち自身」だったのですね。

五:そのとおりだと思います。さて、Yosさん自身のことに話を戻しましょう。「MOMOがゆく」のなかで、Yosさんが一番伝えたいことは、なんですか?

Yos:まあいろいろとカッコよく「ヒロイズム」を語っていますが、僕が「MOMOがゆく」を書くのは、子供たちへのエールです。メインテーマは、「あきらめないこと」。そして、一緒に喜び、ときには一緒に泣くことのできる「仲間」の大切さです。

この「あきらめないこと」にかんして、僕には忘れられない、ひとつのシーンがあります。
それは、チームKとの合同練習でチャレンジした「神社坂(神社の参道には、だいたい、急な坂がありますね)」でのことなんですが、ただでさえ難易度の高いその神社坂が、その日は雨後で滑りやすくなって、さらに難しくなっていました。
MOMOとKのみんなが、列を作って、次々とアタックして、僕も何度か挑戦しましたが、ぜんぜん上れません。早々にあきらめて、見学組に回りました。そのとき完登できたのは、AokiとU太、それにRyoタンの高学年の3人だけじゃなかったかな。

その難しい坂を、いちばん小さい2年生のShuyaが、何度も何度も、あきらめずに上ろうとするのです。非力な体で、それも彼のバイクはフラットペダルでした。
「上れっこない」と、僕は思いました。「物理的に、無理だろう」とも。
けれども、滑ってコケても、ひと漕ぎふた漕ぎで足をついてしまっても、彼は黙々とまた列の後ろに並びなおして、上ろうとするのです。

その姿を見て、僕はさっさとあきらめた自分が恥ずかしくなりました。そしてそれ以上に、彼の努力を「上れっこない」と勝手に断じたことが、Shuyaにたいして、ひじょうに失礼なことだったと、恥じ入ったのです。
あのとき、周囲の誰がなんと思おうと、Shuyaの胸にあったのは、「ぜったい、上ってやる」という決意だけだっだでしょう。そのとき、Shuyaと僕の、どちらが「ヒーロー」だったかというと、間違いなく、Shuyaです。

五:「できるか、できないか」じゃない。「やるか、やらないか」なんですね。まさに、Yosさんがいつも子供たちに言っている。

Yos:そうです。あれはあたかも、僕自身の言葉のように使っているけれど、逆に、僕は子供たちからそれを学んでいます。チームKにHiちゃんという3年生の女の子がいるんだけど、この子なんて、「あきらめる」という言葉、知らないんじゃないかな?(笑)というぐらい、すてきに「あきらめない」。すぐに「いやいや〜、できませんよ」なんて言う大人は、彼女からしてみれば、「ばいばいきん」ですね。

そしてU太の、目標に向かって努力を続ける姿勢からも、「あきらめない」を学ぶことが多いですね。小学6年生が、毎朝起き抜けにローラー台に乗ってから、学校に行くのですから。学校で寝てなければいいんですけどね(笑)。その努力が実って、彼は先日、初めてa.b.c.カップで勝ちました。

五:U太といえば、「約束」へのUpapaさんからのコメントに、「Yosさんが実は弱気になって、それをU太が諌めた」というのがありましたが。

Yos:そ、それは…、まあ、カッコ悪かったんで、カットしといたんですが、そのとおりです。最初の4周、エラくきつくて消耗して、「もうアカン」と。でもそのとき、U太が、目で僕に問いかけたんですね。「Yosさん、いつも僕たちに、何と言っているの?辛かったら、やめちまえ、って、言ってるの?」と。そのU太に、最後の最後で、あきらめる姿は、ぜったいに、見せるわけにはいかなかった。まあ、Yos必死の、「有言実行」だったわけです。

五:でも、最終ラップは自己ベストで帰ってきた。

Yos:僕の前に入れた、A川さんの1周、Upapaの言うように、あれが大きかった。その間に、必死に補給食を詰め込んで、力を取り戻せたのです。僕はU太(子供たち)から勇気をもらい、そして仲間に、力をもらったのです。本編にも書きましたが、最終周回は、とても集中していました。全力で飛ばしつつも、チェーンの動きにまで神経がいっていましたね。路面の石もよく見えました。そして、本当に誰にも、抜かれなかった。まあ、それは幸運も味方してくれたのでしょうが、僕は、あれは自転車の神様(髭は生えてないよ→分かる人には、分かるよね)が僕にくれた、奇跡のプレゼントだったと思っています。

五:きょうはありがとうございました。これからも、「MOMOがゆく」の続編を楽しみにしています。ただ、子供たちと遠く離れて、取材や執筆は、たいへんじゃないですか?

Yos:そうですね。確かに今までよりは、時間がかかるかもしれません。でもこれからは、子供たちから、レースのレポートや作文を送ってもらって(送れよ!)、それをもとに書いてゆくのもいいかなと思っています。そしてもちろん、年に何回かは、実際に子供たちのレースを見に行くつもりです。

五:最後に、先日発表された、芥川賞と直木賞、どちらの候補にもYosさんの名前がなかったのは、意外だったんですが。

Yos:まあ、純文学の芥川賞のような芸術性は、Yos文学にはありませんから別として、直木賞とも、読者層が違いますからね。「MOMOがゆく」の読者は、全国の子供たち(大きく出たなあ)と、Yosを取り巻く自転車バカたちですから、気にしていません。ああ、それとこれは、M上H樹さんと話したんですが、「ノーベル文学賞も、別にいいよね(賞金はほしいけど)」と。あはは。

五:話がどんどんバカなほうへ行きそうですので、きょうのインタビューはこれで終わりにします。Yosさん、きょうはありがとうございました。

Yos:こちらこそ、ありがとうございました。

※ このインタビューは、フィクションです(笑)
※ アンパンマンミュージアムまでは、Yosの自宅から12kmでした。本編に7kmと書いたのは、間違いだったので、修正しています。まあ、MOMOやKにとっては、7kmも12kmもお散歩程度だよね。いつか高知においで。一緒に、アンパンマンミュージアムへ行こう。


posted by Yos at 22:23 | Comment(4) | MOMOがゆく | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Yos、相変わらず楽しかったよ。
笑かせて貰った!
さすがYosならではの発想だね〜と感心致しました。
また続き待ってま〜す(^_^)v
Posted by Akou at 2014年01月28日 08:25
最後に…先日発表された…

大笑(^^)
Posted by Upapa at 2014年01月28日 23:31
そうそう、このブログを書籍化できるってしってました?本にできるんです。
Posted by Upapa at 2014年01月28日 23:36
Yosさん、
随時、活動レポートして参りますので、これからもチーモモの執筆活動よろしくお願いします。
FBでもTeam-Kや他のライバル情報たくさんあるので頻繁にチェックしておいてね!

五スポさんご苦労さまでした。
Posted by gen at 2014年01月30日 22:00
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