2014年06月02日

MOMOがゆく 「あたらしい仲間」

MOMOがゆく
あたらしい仲間

Tキ(中学2年生)

松葉杖.JPG
現在の、Yosの愛車、ならぬ愛杖(?)
軽量アルミフレーム!グリップは硬質スポンジタイプ!先端はソフトタイプでグリップ抜群!!(T^T)

うーん、ケガして自転車に乗れないから、「執筆時間がたっぷりある」というのも、何だかフクザツだけど、確かにそれはそのとおり。仕事は傷病扱いで休みをもらっているので、日中は暇がいっぱいあります。今はリハビリがてら、エアコンの効いた図書館で昼間の数時間を過ごすのが日課です。ってことで、その図書館で草稿を練り、昨日に続き、チョッ速で、「MOMOがゆく」の続編をリリースです。もっとも、「4年前(本文参照)」の部分は、4年前当時に書いたものに、若干の修正を加えただけです。当時からの古い仲間や、知る人ぞ知る、「5丁目スポーツ」時代に書いたものです。この「5丁目スポーツ」、今や古いパソコンからUSBで抜き取らなきゃいけないのだけど、自分で読んでも面白い!なので、これからはちょくちょく、その時代のエピソードもアップしていきたいと思います。乞うご期待?!
さて、では以下、本編をお楽しみください。Yos

MOMOがゆく
あたらしい仲間

Tキ(中学2年生)

ザザーッ!というスリップ音とともに視界が横に流れたあと、ガツン!とヘルメットに衝撃が来た。
リアタイヤがスリップしたとき、反射的にカウンター(リアタイヤが滑ったときに、フロントタイヤを、曲がるのとは逆方向に向けること)をあてたが、スタートダッシュの勢いに、下り坂だったことが相まって、コースの外側へ吹っ飛んだ。
一瞬、何も考えられずに呆然としたが、ライダーの習性で、あわてて倒れているバイクに駆け寄った。その瞬間、右足に、強烈な痛みが走った。
「初参戦」の、本格的なMTBクロスカントリーレースのスタート直後、Tキは「未舗装の山の道」の洗礼を受けたのだった。

Tキ落車.jpg
1コーナーで落車。山の道の洗礼を受ける。先頭がU太、その後ろでスリップしているのがTキ。

自転車に乗るのは得意だ。上りなら、大人にだって負けない自信がある。このぐらいのスピードなら、バイクをコントロール出来る自信もあった…。「だが、やっぱり、舗装路と山は、ぜんぜん違う」
ブレーキをかけて、タイヤの回転が止まっても、山の未舗装路では、バイクは停まらず、グリップを失ったまま、滑ってゆくのだ。
(ソロでの出場は)初めてのクロカンレースの緊張と気負いがあった。そこに試走の後、「Tキ君、よく脚が回ってるね。スタートでは、U太の後ろについていってごらんよ」と言うUpapaのアドバイスを、「そのままU太と同じスピードで…」と理解したのが甘かった。スピードが、試走のときとはまったく違う。速い!にもかかわらず、Tキは、思わずその速さに乗ってしまった。
あのときUpapaが言ったのは、「U太は、まずスタートで失敗することはないから、その後ろを走れば、ポジションがきれいに空くよ」という意味だったのだ。決して、今の自分が、U太と同じスピードで1コーナーの出口まで行けるということでは、なかったのだ。

2014年5月18日、富士見高原で開催された、「Aki Green Cup」。
スタート直後、下りながら右にターンする1コーナーで、Tキは、リアタイヤを派手にスライドさせて、落車したのだ。

さて、物語は、今から4年ほど前にさかのぼる…。

「Tキは、もっと走りたがっているな」
何度か後ろを振り返りながら、総監督Yosは思った。(著者注:ここで言う総監督とは、SINのチームの総監督を指す。MOMOの総監督は、言うまでもなく、genである)
先頭を走るシンスケに「ちょっと後ろを見てくるわ」と伝えて後続をやり過ごし、Tキのところまで下がってゆく。
Tキの走りを見るのは、去年の年末に千葉県のサーキットで行われたエンデューロレース以来だった。その時の印象は「小学生が、頑張って走っているな」という程度のもので、キッズ用のマウンテンバイクで一生懸命坂を登るTキの背中を「がんばれよー」と押しながら一緒に走った記憶がある。

SINに集う、Yosやgenの仲間であるロードバイ乗りの父親の影響で、Tキが700Cのロードバイクに乗りはじめたということは聞いていたが、きょう、久しぶりにTキの走りを観察していると、「もう子供扱いする必要はないな」と思う。
もちろん、Tキにしろ、今Yosの前を走っているShokaにしろ、一般公道の走行においては、自分たち大人が彼らをカバーして、安全を確保してやる必要はある。しかし、子供達を、ただ「きょうはよく頑張ったね」と、学校のPTAみたいに褒めるだけでは、この総監督は面白いとは思わない。
どうせなら、ますます自転車に乗るのを楽しくしてあげたい。それには、大人たちに一泡吹かせるような体験をさせて、自信をつけさせてやるのが一番だ。それは、子供たちが、もっと自転車を好きになるモチベーションにもなるし、また、「小学生にしてやられた」大人のたちの方にとっては、それは最高のユーモアになる。Yosはそういうユーモアを愛している。
「子供が、同じ条件で大人と勝負して、勝てるのか?」と思う方も多いかもしれないが、自転車においては、それが、できるのだ。

YosはTキに並走しながら、声をかけた。
「Tキ、ガンガン回せ。俺と一緒に、いちばん前まで上がるぞ!大人たちを全員、抜かしちゃえ!」
その瞬間、Tキの顔ぜんたいに、ぱっと笑みが広がった。
「待ってました!」とばかりに、Tキの脚の回転が上がる。そして前を走る大人たちを次々に追い抜いてゆく。「やっぱり、コイツはもっと走りたがっていたのだ」
声をかけたタイミングは、オネカンの入口の長い上り坂だった。上り坂は、キッズにとって、大人をやっつけるのに、うってつけの場面になる。30kgちかく軽いパワー・ウエイト・レシオのアドバンテージと、クルクルと回す軽快なぺダリングで、彼らは軽々と加速する。その加速には、油断をするとYosですら置いていかれそうになる。「Tキ、足首の動きがもったいないな。次はビンディングペダルだな」(著者注:このときは、まだフラットペダルだったんだね)。
「うん!」とTキ。
親のお財布のことなど無視した無責任なことを、この総監督は言う。しかし、もう子供扱いはしない、立派なチームメイトであり、「戦力」だと認めたからには、本当のことを言わざるを得ないのが、「総監督」たる者の務め(つとめ)なのである。(I上さん、勝手なこと言ってごめんねー!)

そして、あれから4年…物語は現在に戻る。2014年5月18日、富士見リゾート。

痛む右足を引きずりながらも、Tキは素早く愛車の状態を確認する。
ハンドルは…曲がってない。レバーやディレーラーは…だいじょうぶだ。よし、バイクは走る。
「でも、自分の足はどうだろう?」
左足をビンディングぺダルに入れる。そして、恐る恐る、痛む右足を、右のペダルに踏み込んだ。
カチン!クリートがペダルに入った。
「よし、いける!僕はまだ、走ることができる!」

それは、新しいMOMOの仲間が生まれた瞬間だった。苦しいことがあっても、前を向いてゆく、「あきらめない」仲間だ。
Tキは、このレースに「Team MOMO」でエントリーをした。(第1章からの読者ならご存知のとおり)Team MOMOは、もともとは、「モモ保育園」で出会った親子たちが結成したMTBチーム。Tキは、その結成以来のメンバー以外で、初めて加わった、新しい仲間だ。もうすぐ、Upapaが新しくプロデュースした、New MOMOジャージに、Tキも袖を通す。

Tキが手に入れたMTB(なんと、ドあつかましくも、チタンフレーム!)で、SINの走行会を走り始めた当初は、自分より一つ年下のU太や、女の子のShokaに置いていかれた。ロードバイクで舗装路を上るのなら、とにかく踏めば、バイクは登る。けれども山の未舗装路では、そうはいかないのだ。舗装路なら、どんな急な坂でも、ダンシングで上ることができる。けれども山で苦しまぎれにそれをやったら、リアタイヤがスリップするか、フロントが浮き上がってバランスを崩して、落車してしまう。
そんなことを学びながら、Tキはあたらしい仲間たちと、これからも、泥だらけになって一緒に走ってゆく。そこには、沢山の笑顔や、時には涙もあるだろう。
さあTキ、僕ら(私たち)と一緒に、夢に向かって、走ってゆこう。
(U太は、「Tキ君、上りが速い!ヤバイ!」と、早くもTキの上りのスピードに舌を巻いているよ。これから下りや、シングル・トラックのテクニックを磨いて、もっとU太をビビらせろ!Tキ!)



あとがき:
このブログをご覧の、沢山のTeam MOMOファンの皆さん(関係者以外にいるのか、そんな人!?)、また、田園都市線二子新地駅(bike room SIN所在地)にアクセス可能な、「これから、うちの子供も、マウンテンバイクに乗せて、こんなに素敵でカッコいいMOMOの仲間になろうかしら!?」なーんていう楽しい方がいたら、どうかご遠慮なく、SINのドアを…いや、ガラスの引き戸を叩いてください。
特にこれからの季節、店主シンスケの、氷点下まで寒いオヤジギャグを聞きながらのバイクえらびは、楽しくも涼しい、素敵なイベントになることでしょう。ちなみに、火・水が定休です。あと、四十路を前にして、この店主、今年からMTBのJシリーズにも参戦していますので、日曜日のご来店の際は、あらかじめホームページ(当サイトにリンクがあります)でご確認をお願いします…って。これで千客万来になったら、宣伝料よこせよ、このやろう(笑)
以上、愛をこめて、Yos


posted by Yos at 20:58 | Comment(3) | MOMOがゆく | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Tキ、MTBに乗ってて楽しい、嬉しい、速くなりたい!と、こっそり思ってると思います。
出遅れた感があるかもしれませんが、ぜんぜんまだまだすぐに追いついて来るでしょう。
そんな感じがしたレースでした。
脚力はある、体力は勝手に付く、技術は練習あるのみですよ!
また、みんなで頑張ろう!!
Posted by gen at 2014年06月03日 22:07
先日の富士見での急斜面の浮き砂利の区間で、ヨタヨタしている大人の横をTキ君がギュギュギュ〜〜〜ンと加速して抜き去っていきました!路面をうまく捉えながらあのズピードに「おお!!」と思ったのでした。
店主、四十路を前にしてJシリーズ頑張っております!みんな応援有難うございます☆
Posted by マコト at 2014年06月05日 15:31
マコトさん、店主さまのレースレポート待ってます(^_^;)
Tキくんも。
Posted by Upapa at 2014年06月06日 12:16
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